第1回 イントロダクション
micro:bit に触れて、センサを使った簡単な楽器を作ってみましょう。
今回のゴール
- micro:bit の基本的な使い方を理解する
- 明るさセンサを使って「テルミン」のような楽器を作る
- 加速度センサを使って「ハンドベル」を作る
- デバイスアート・サウンドアートの概要を知る
準備するもの
| アイテム | 説明 |
|---|---|
| micro:bit V2 | センサ内蔵のマイコンボード |
| USB ケーブル | micro:bit とPCを接続する(micro USB) |
| PC | Windows または Mac |
| ヘッドホン / イヤホン | 音を確認するために使用 |
micro:bit とは
micro:bit は、BBC(英国放送協会)が教育向けに開発した小型マイコンボードです。以下のセンサやデバイスが内蔵されています。
- LED ディスプレイ(5×5)
- ボタン(A / B の2つ)
- 加速度センサ(傾き・振動を検出)
- 明るさセンサ(LED を光センサとして利用)
- 地磁気センサ(電子コンパス)
- タッチセンサ(V2 のロゴマーク)
- マイク・スピーカー(V2)
- 無線通信(Bluetooth / Radio)
プログラミングには MakeCode エディタ を使います。ブラウザ上でブロックプログラミングができます。
MakeCode エディタ
https://makecode.microbit.org/ にアクセスして、「新しいプロジェクト」をクリックすると開発を始められます。
Step 1: micro:bit の基本操作
MakeCode エディタの使い方
- ブラウザで makecode.microbit.org にアクセスする
- 「新しいプロジェクト」 をクリックする
- プロジェクト名を入力する(例:「テルミン」)
エディタ画面の構成
- 左側: micro:bit シミュレータ(プログラムの動作をPC上で確認できる)
- 中央: ブロックカテゴリ(使いたいブロックを選ぶ)
- 右側: プログラミングエリア(ブロックを組み合わせる)
プログラムの転送方法
- USB ケーブルで micro:bit と PC を接続する
- エディタ左下の 「ダウンロード」 ボタンをクリックする
- (自動転送されない場合)ダウンロードした
.hexファイルを micro:bit ドライブにコピーする
ペアリング
MakeCode エディタの「ダウンロード」ボタン横の「...」から「Connect device」を選ぶと、USBペアリングができます。ペアリング後は、ダウンロードボタンを押すだけで直接転送できます。
Step 2: 明るさセンサでテルミンを作ろう
テルミン は、手を近づけたり離したりすることで音の高さを変える電子楽器です。micro:bit の明るさセンサを使って、同じような楽器を作りましょう。
明るさセンサの仕組み
micro:bit の LED ディスプレイは、光の量を検出するセンサとしても機能します。
- 明るい場所: 大きな値(最大 255)
- 暗い場所: 小さな値(最小 0)
- 手で LED を覆うと値が変わります
作り方
- MakeCode エディタで新しいプロジェクトを作成する
- 以下のブロックを組み立てる:
プログラムの流れ:
ずっと:
明るさ → 周波数に変換
その周波数で音を鳴らす- 「入力」カテゴリから 「明るさ」 ブロックを使う
- 「音楽」カテゴリから 「音を鳴らす」 ブロックを使う
- 明るさの値(0〜255)を周波数(200〜2000 Hz 程度)にマッピングする
- 「計算」カテゴリの 「数値をマップする」 ブロックを使って変換する
シリアル通信でPCに値を送る
センサの値を PC で確認するには、シリアル通信を使います。
- 「シリアル通信」カテゴリから 「シリアル通信で数値を送る」 ブロックを追加する
- ラベルに「light」、値に「明るさ」ブロックを設定する
- MakeCode の「コンソールを表示」ボタンで値をリアルタイムに確認できる
注意
シリアル通信を使うと、USB 経由でデータが PC に送られます。後の回で Pure Data と連携する際に、このシリアル通信が重要になります。
Step 3: 加速度センサでハンドベルを作ろう
micro:bit を振ると音が鳴る ハンドベル を作りましょう。
加速度センサの仕組み
加速度センサは、micro:bit の動き(傾き・振動・衝撃)を検出します。
- X 軸: 左右の傾き
- Y 軸: 前後の傾き
- Z 軸: 上下の動き
- strength(強さ): 全方向の合成値
作り方
- MakeCode エディタで新しいプロジェクトを作成する
- 以下の流れでプログラムを作る:
プログラムの流れ:
振られた(シェイク)とき:
音を鳴らす(例: ドの音、500ms)
LEDに音符のアイコンを表示する- 「入力」カテゴリから 「ゆさぶられたとき」 ブロックを使う
- 「音楽」カテゴリから 「音を鳴らす」 で好きな音階を設定する
- 「基本」カテゴリの 「アイコンを表示」 で音符アイコンを表示する
応用: 複数の音を割り当てる
振り方を変えて複数の音を出すこともできます。
- 「ゆさぶられたとき」 → ド
- 「ロゴが上になったとき」 → レ
- 「ロゴが下になったとき」 → ミ
- 「画面が上になったとき」 → ファ
チャレンジ
加速度の強さ(strength)を使って、振りの強さで音量を変えてみましょう。「入力」→「その他」→「加速度 strength」を使います。
デバイスアート・サウンドアートとは
デバイスアート
デバイスアート とは、電子デバイスやセンサを使って作られるアート作品のことです。鑑賞者がデバイスに触れたり、体を動かしたりすることで作品が変化する インタラクティブ な特徴があります。
サウンドアート
サウンドアート とは、「音」を主な素材として用いるアート表現です。従来の音楽とは異なり、環境音・ノイズ・電子音など、あらゆる音を表現の対象にします。
この授業では、micro:bit のセンサ と Pure Data の音響合成 を組み合わせて、自分だけのインタラクティブなサウンドアート作品を制作していきます。