第15回 最終報告会
作品の制作過程と評価結果をプレゼンテーションで発表します。
今回のゴール
- 作品と調査結果をプレゼンテーションで発表する
- コンセプト・技術構成・評価結果・考察を論理的に伝える
- 他の受講者の発表を聞き、質疑応答に参加する
準備するもの
| アイテム | 説明 |
|---|---|
| プレゼンテーションスライド | Google スライド / PowerPoint |
| 作品のデモ動画 | 操作の様子を録画したもの |
| 分析結果のグラフ | SD法プロファイル、UEQ-Sのグラフ |
プレゼンテーションの構成
以下の5つのセクションで発表を組み立てましょう。
1. 作品の紹介
伝えること:
- 作品名
- コンセプト --- 何を表現したかったか
- モチーフ --- テーマや題材は何か
- インタラクション --- どのような操作で音が変化するか
スライド例:
┌──────────────────────────────────┐
│ │
│ 作品名: 「海中散歩」 │
│ │
│ コンセプト: │
│ 深海の世界を音で体験する作品。 │
│ micro:bitの傾きで水深が変化し、 │
│ 光の量で泡の音が変わる。 │
│ │
│ [作品の写真 or イラスト] │
│ │
└──────────────────────────────────┘デモ動画を活用しよう
実際に操作している様子を動画で見せると、発表が格段にわかりやすくなります。30秒〜1分程度の短い動画を準備しましょう。スマートフォンで撮影するだけで十分です。
2. 技術構成
伝えること:
- 使用したセンサの種類と役割
- Pd パッチの構成(主要なオブジェクト)
- データの流れ(入力 → 処理 → 出力)
スライド例:
┌──────────────────────────────────┐
│ │
│ 技術構成 │
│ │
│ [入力] [処理] [出力] │
│ 加速度Y軸 ──→ osc~ ──→ dac~ │
│ 明るさ ──→ noise~ ──→ │
│ ボタンA ──→ モード切替 │
│ │
│ 主なPdオブジェクト: │
│ osc~, noise~, lop~, bp~, │
│ delwrite~, delread~, line~ │
│ │
└──────────────────────────────────┘Pd パッチのスクリーンショット
Pd パッチのスクリーンショットをスライドに貼ると、技術的な構成が伝わりやすくなります。パッチが複雑な場合は、主要な部分を拡大して見せましょう。
3. 評価結果
伝えること:
- SD法のプロファイル(折れ線グラフ)
- UEQ-Sのスコア(実用的品質 / 感性的品質)
- 自由記述の主なコメント
SD法のグラフ:
- 前回作成した折れ線グラフを大きく表示する
- 特に注目すべき項目を矢印やハイライトで強調する
UEQ-Sのグラフ:
- 実用的品質(PQ)と感性的品質(HQ)のスコアを棒グラフで表示する
- ベンチマークとの比較結果を示す
自由記述:
- 代表的なコメントを2〜3件引用する
- ポジティブとネガティブの両方を取り上げる
4. 考察
伝えること:
- 意図した印象と実際の評価の比較
- UXの実用的品質と感性的品質のバランス
- 成功した点と改善すべき点
- 思考発話法で得たフィードバックとの関連
考察の構成例:
【意図と結果の比較】
- 目指していた印象: ○○
- SD法の結果: △△ → 概ね意図通り / 想定と異なった
【UXの評価】
- 実用的品質: □□ → 操作のわかりやすさについて
- 感性的品質: ◇◇ → 面白さや刺激について
【改善点】
- もしさらに改良するなら...5. まとめと感想
伝えること:
- 制作を通じて学んだこと
- 技術面で成長した点
- 今後に活かしたいこと
- 全体の感想
スライド作成のポイント
1スライド1メッセージ
1枚のスライドで伝えることは 1つだけ にしましょう。
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| コンセプトと技術構成と評価結果を1枚に詰め込む | コンセプトで1枚、技術構成で1枚、評価結果で1枚 |
グラフは大きく、ラベルは読みやすく
- グラフはスライドの 半分以上 のサイズで表示する
- 軸ラベルやデータラベルは 後ろの席からでも読める大きさ にする
- 色は3色以内に抑える
- 重要なデータポイントには矢印や注釈をつける
グラフ作成時の注意
- 縦軸の範囲を適切に設定する(SD法は1〜7、UEQ-Sは-3〜3)
- 横軸のラベルが重ならないようにする(必要なら改行や略称を使う)
- グラフタイトルを必ずつける
デモ動画の準備
- スマートフォンで作品を操作している様子を 横向き で撮影する
- 動画の長さは 30秒〜1分 にする
- 以下の内容を撮影する:
- 基本的な操作(センサの動かし方)
- 音の変化がわかる場面
- 面白い操作や特徴的な場面
- スライドに動画を埋め込むか、発表中に再生する
動画が再生できない場合に備えて
プロジェクターやPCの環境によっては動画が再生できないことがあります。動画のキャプチャ画像(スクリーンショット)もスライドに入れておくと安心です。
スライドの構成例
| スライド番号 | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1 | タイトル(作品名、氏名) | - |
| 2 | コンセプト・モチーフ | 1分 |
| 3 | デモ動画 / 操作の様子 | 1分 |
| 4 | 技術構成(センサ → Pd → 出力) | 1分 |
| 5 | SD法の評価結果(グラフ) | 1分 |
| 6 | UEQ-Sの評価結果(グラフ) | 1分 |
| 7 | 考察(意図と結果の比較) | 1分 |
| 8 | まとめと感想 | 1分 |
発表時間の目安
| 項目 | 時間 |
|---|---|
| 発表 | 5〜7分 |
| 質疑応答 | 2〜3分 |
| 合計 | 約10分 |
時間管理
発表時間は厳守しましょう。事前にリハーサルを行い、時間を計測しておくことをおすすめします。特にデモ動画の再生時間を含めて練習しましょう。
質疑応答のポイント
質問を受けるとき
- 質問の内容が理解できなかったら、聞き返して確認 する
- 「わかりません」と正直に答えても大丈夫
- 技術的な質問には具体的に回答する
- 改善提案を受けたら「ありがとうございます」と受け止める
質問をするとき
他の人の発表に対して、以下のような質問をしてみましょう。
| 質問の種類 | 例 |
|---|---|
| コンセプトについて | 「このモチーフを選んだきっかけは何ですか?」 |
| 技術について | 「この音はどのPdオブジェクトで作りましたか?」 |
| 評価について | 「UEQ-Sの結果で意外だった点はありますか?」 |
| 制作過程について | 「制作中に最も苦労した点は何ですか?」 |
| 発展について | 「今後さらに発展させるとしたら、何を追加しますか?」 |
良い質問をするために
発表を聞きながら、気になったことや面白いと思ったことをメモしておきましょう。質問は発表者にとっても学びの機会です。積極的に質疑応答に参加しましょう。
チェックリスト
発表前
- [ ] スライドを作成した(7〜10枚程度)
- [ ] SD法のグラフをスライドに入れた
- [ ] UEQ-Sのグラフをスライドに入れた
- [ ] デモ動画を準備した
- [ ] リハーサルを行い、発表時間を確認した
発表時
- [ ] 5〜7分で発表を終えた
- [ ] 質疑応答に対応した
発表後
- [ ] 他の発表者に質問をした
- [ ] 他の発表から学んだことをメモした